混沌の旋律 番外編
まるで禁句の女神の様に、
幸と不幸を携えて、
舞い降りるのは幻影の魔女。
この国を影で支え続けた元皇帝の貢献も。
禍々しい名の元暗殺者の儚さも。
主の側で笑い続けた元盗賊の優しさも。
孤独を恐れた繊細な賢帝の寂しさも。
消え行くべき過去の女帝の想いも。
この国がこんなにも美しい訳も。
もう、知っているのはたった1人。
彼らよりもほんの少し、長い歴史を生きた彼女だけ。
彼女が朽ちるその瞬間、何処かへ消える淡い想い出。
それは――誰も結ばれない、恋物語。
登場人物紹介
唯一の王
幻影魔女
帝の虎狼
黒き宝石
女帝散華
彼の墓前
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