07:毒消し草
夕食時。
野宿の際は少女が簡単な調理をしてくれていた。
ほこほこと湯気を立てる鍋。
出来立てのスープが器に注がれる。
少年は、空腹を助長させるそれを啜った。
ほとんど最後まで食べ終える。
今日もとても美味しかった。
しかし、後一息のところで、ん、と思わず顔をしかめた。
「これ、苦いのだけど」
舌にその原因を乗せ、外に出す。
煮詰められた緑の葉っぱ。
少女はそれに、少し苦笑したようだった。
「それは毒消し草だもの」
だから苦いのは当たり前だと言う。
毒気思想?と問い返すと、少女は首を横に振った。
「体の中を浄化してくれるの」
少女が言ったのは、単なる整腸作用の事だったのだろう。
しかし、その言い回しに、少年は反応した。
「体だけじゃなく、すべてを浄化してくれたらいいのに」
ぽつりと出た言葉に、自ら驚く。
心も行為も、罪も悪も。
全て綺麗になったらと、思わず願った。
その切実さに焦る。
一体自分にどんな罪が。
悪があるというのか。
何を綺麗にしたいと願ったのか。
自分を気遣う視線を送る少女。
少年はなんでもない、と首を振った。
知らない自分は黙ったまま。
記憶の奥底に沈んだまま。
少年は取り合えず。
口の中の葉を飲み下した。
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