02:暁の星を見上げて





 もうすぐ夜が明ける。
 少し端の白んだ闇。
 そこに浮かんだ動かぬ星を目指し、歩く。



 そこに、独りの少女が座っていた。



 さらりと流れる白っぽい金の髪。
 今なら星のようと、夜が明ければ太陽のようと表現出来るだろう。
 繊細なつくりの顔立ちは、浅い眠りに誘われていた。



 足音を忍ばせる訳でもなく近付く。
 少女は気配を感じて、瞼を上げた。
 黒っぽい瞳が、真っ直ぐに彼を捕らえた。



 何を話そうか。
 少年は迷う。
 自分が名乗れないのに、相手の名を聞くのも可笑しい気がした。





「星のように綺麗な髪だね」





 少女はにこりと笑った。





「ありがとう」





 座ったまま少女は言う。





「私は言うべき事を言うために、人を捜しているの」





 少女が口にしたのは目的。
 だから少年も目的を口にした。





「僕はたぶん、自分の名前を捜しているんだ」





 少女は驚くこともなかった。
 そう、と呟いて再び瞼を落として眠ってしまう。
 少し迷って、少年も彼女の隣で眠った。



 星が消えて太陽が昇ってから、少女と少年は別の方向に歩いて行った。